上手い話には裏がある~海外投資でよくある詐欺の手口
投資詐欺は昔からありますが、海外投資は高利回りの商品が多いため人気があり、投資詐欺が年々増えつつあります。
国内の個人のファイナンシャルプランナーが無許可で海外ファンドや海外FXを運用するなど、手口が巧妙化しているので、投資に詳しい人でも詐欺に遭う恐れは否定できません。
ここでは、海外投資でよくある詐欺の手口についてご紹介します。
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「ポンジ・スキーム」は出資者からの出資金を配当金と偽る詐欺
海外投資詐欺の手口には「ポンジ・スキーム」というものがあり、投資詐欺のなかでもっとも有名なものです。
投資詐欺師は月3%から10%以上などという高利回りを謳って投資家を勧誘し、「出資金を運用して出た利益を配当金として支払う」と言って多くの資金を集めます。
しかし実際には集めた資金は運用されないのです。
新しい出資者から出資金を募り、その一部をいかにも配当金が出たかのように投資家に配当していきます。
最初のうちは配当金をもらえることから、投資家は、投資によって利益が生み出されているかのように思います。
詐欺師はその手口を次々と繰り返しますが、実際には負債が増えていくため、だんだんと配当金が支払われなくなります。
このように「自転車操業」的なやり方をするのがポンジ・スキームです。
ポンジ・スキームでは、「元本保証」「確実に儲かる」というような言葉で勧誘してきますが、高い利回りの商品には大きなリスクがあるのが投資の常識であり、よく考えれば、確実に儲かることなどありません。
また詐欺師の言うように、本当に高配当の利回りで運用できるのなら、一般人に出資を募ることはあり得ないでしょう。
さらに年利10%の利益を出すということは、投資の世界でも滅多にあることではなく、そのような甘い話はありません。
「劇場型」詐欺って何?複数人で投資家を騙す手口
複数の詐欺師が各人の役割を演じて、グルになって投資家を集団でだます手口が「劇場型」詐欺です。
劇場型詐欺にはよく未公開株が使われます。
たとえば証券会社のAから「上場の予定があるX社の未公開株を安く売るので購入しませんか?」などと勧誘されます。
未公開株は投資詐欺の手口なので、そのことが念頭にあれば騙されないかもしれません。
ところが、その勧誘の後で別の証券会社のBから「X社の未公開株を持っていませんか?持っている人を探しているので、持っていたら売ってくれませんか?」というような話をされます。
このように複数の人物から同時に勧誘されると、投資家はその未公開株には価値があるのではないかと思ってしまうのです。
このAとBはグルであるため、未公開株に投資した資金を取り戻すことはできません。
冷静に考えれば詐欺であることがわかるのですが、複数人が演劇のように投資家を騙す劇場型詐欺においては、一度信じ込んでしまうと自分の都合の良いほうに考えてしまい、詐欺だと見抜けなくなってしまいます。
しかし、自分にとって都合のよい話はそうそうありません。
まず未公開株の話の時点で投資詐欺であることを疑うことが大切です。
勧誘されたらいったん話をやめ、家族や知人に相談しましょう。
また証券会社AやBに電話で問い合わせをするのも効果的です。
投資金をamazonギフト券で振込させる詐欺も
近年、詐欺の形は様々に変化しています。
詐欺グループはなるべく足がつかないような手口でお金を送金させたがるため銀行口座をしていして振り込ませることを嫌がります。
これは振り込め詐欺取締強化で不正な送金をする口座の取締が厳しくなっているおかげで、詐欺グループの摘発は銀行口座からという事例が増えているからです。
こうした摘発強化から銀行口座を使うのは詐欺クループからすると非常に危険な方法となったのです。
そこで昨今では匿名性が高く、換金性が高いデジタルギフト券を送らせる手口が急増しています。
その代表的なのがamazonギフト券で、利用者が多く、需要が高いため買取サイトなどで即日換金可能な代物となります。
デジタルギフト券は種類によっては90%以上で換金が可能ですから詐欺などのトラブルが後を絶ちません。
DMや知らないメールアドレスからEメール、SNS上の見知らぬアカウントとの直接取引はたいへん危険です。有名買取サイトの名前を名乗った偽装アカウントも報告されています。
- 95%で買取るからamazonギフト券を送ってほしい
- ソーシャルゲームのアカウントを売るから支払いはiTunesカードで送ってほしい
- 身に覚えのないアダルトサイトの使用料をnanacoギフトカードで請求された
- 有名買取サイトを偽装したアカウントで買取の呼びかけをしている
- 現金が当選した、権利獲得にamazonギフト券を送る必要がある
- 絶対儲かる投資の出資にamazonギフト券を送らなければいけない
amazonギフト券を代表とするデジタルギフト券はコードをメールやLINEなどで簡単に送ることができ、換金するときもギフトコードを売却するだけで良いので足がつきにくいのです。
こうした理由から投資権利獲得のためamazonギフト券を送ってくださいなどという詐欺も存在するのです。
何かの取引で現金でなく「amazonギフト券送れ」は詐欺の可能性が高く、返金が難しいので取り返すことができなくなることが多いので泣き寝入るする人もたくさんいます。
投資金や契約金などamazonギフト券で送らせることは冷静に慣れば不可解ですが儲け話となるとついつい乗っかってしまいがちですが十分注意が必要です。
ネズミ算式に儲かるって本当?「ネットワークビジネス」とは
「ネットワークビジネス」は「マルチ商法」「ネズミ講」などとも呼ばれます。
ネットワークビジネスの組織はピラミット型の販売員組織になっています。
化粧品やキッチン用品などの販売が有名ですが、海外ファンドの販売でもネットワークビジネスが行われています。
セミナーなどで新たな参加者を勧誘し、紹介された販売員が商品を売れば、紹介したほうにもマージンが入るのです。
また購入者を販売員(ディストリビューター)として起用し、その販売員はさらに別の人を販売員として勧誘します。
ネズミ算式に販売員が増えるので「ネズミ講」とも呼ばれるわけです。
親ネズミが積立額が3万円、10年積立のファンドを販売した場合を考えてみましょう。
親ネズミは、海外の個人のファイナンシャルプランナーから、積立額3万円の10ヵ月分、30万円の報酬をもらいます。
親ネズミはつぎにセミナーなどを開いて子ネズミを集めます。
そして子ネズミがファンドを販売すると、子ネズミは親ネズミに2ヵ月分の報酬を渡し、子ネズミの取り分は残りの8ヵ月分、24万円の報酬になります。
さらに子ネズミが孫ネズミを集めて孫ネズミがファンドを販売すると、孫ネズミは子ネズミに2ヵ月分の報酬を渡し、孫ネズミは残りの6ヵ月分、18万円の報酬を手に入れます。
このようにしてネズミが増えるようにどんどん販売員を増やして商品を販売するわけです。
ネットワークビジネス自体は違法ではありませんが、「誰でも簡単に稼げる」「早く販売員になったほうが儲かる」という誘い文句で勧誘する会社が存在します。
しかし、誰でも簡単に稼げることはありませんし、ネットワークビジネスの販売員になった90%以上の人が、収入を得られていないという実態があります。
成績を確保するために、自分で商品を購入することさえあるのです。
即決はダメ!決める前に金融の専門家に相談しよう
海外投資詐欺においては、「安心」「確実」「高利回り」といった言葉を多く使いますが、投資の世界でそのようなことはあり得ません。
ハイリターンであれば、それなりのリスクがあるのが当然で、ノーリスクと言われたら、それは信用できない話です。
詐欺に遭わないためには、高い利回りや甘い言葉に心を奪われるのではなく、冷静に判断することが大切です。
また投資話があったときは、金融の専門家に相談するのがよいでしょう。